往診車のこと(2)

13.往診車のこと(2)      (2015.9.02)

 パリ・ダカールラリーはこういうものかと、首に感じたことがあります。何年か前に日曜にどかっと雪が降り除雪が 後手に回り月曜からの交通が麻痺したことがありました。患者さん宅に到着するのが遅いときに、患者さんから「今日は来ないかと思った」と言われると、「雨 が降ろうが槍が降ろうが台風が来ようが、何があっても来ます」と過去常々宣言していたので、雪くらいは何だと訪問に出かけました。路地に入ると個人が除雪 した部分と圧雪状態になった未除雪の部分が最大15-20cmくらいの段差になっていました。その分布によって往診車が、大きく縦に揺れたり,横に揺れた り、時には縦横揺れになったり、助手席の看護師さんの頭とぶつかりそうになったりしました。なんとか帰院し、車を降りると首に違和感を覚えました。前後左 右のGに頸部が耐えてきた証拠で、パリ・ダカ-ルラリーの揺れもかくありなん(経験したわけではないが)と、同様の症状を呈していた看護師さんとうなづき あったのでした。

 自然災害でいうと2008年7月28日の浅野川の氾濫があります。このときも往診があり、浅野川周囲のお宅2件 にお伺いしました。災害復旧のために通行止めがあちこちであり、長靴を履いて途中から徒歩で回りました。往診時は、カルテバッグ、往診鞄、処置用具入りの 鞄、点滴・注射・薬用鞄の4つを持って行くのですが、このときばかりは2つにしてお伺いしました。

 今後、訪問が遅れて患者さんから「来ないかと思った」と言われたら、「雨が降ろうが槍が降ろうが台風が来ようが,大雪が降ろうが,洪水になろうが何があっても来ます」(長い!)と言おうと思っています。

 訪問診察の研修ということで、いろんな職種の方を助手席にのせて訪問に行くことがあります。頭の中にある人間 カーナビを働かせ、路地から路地を駆け巡っていると、研修の方に道がよくわかりますねといわれることがあり、その時は、冗談で「医者やめてもタクシーの運 転手になれるんだよ」と話しています。

 ガス欠での立ち往生については先月号で触れましたが、それ以外に立ち往生したこともあります。金沢市郊外で農村 の部落にあるお宅に往診に行ったときのことです。とにかく狭い道でUターンもままならないところに草むらがあったのでこれ幸いと、そこで転回しようと草む らにわけいったら、草むらの下が軟弱で車が立ち往生になったことがありました。かよわい看護師さんがおしてもびくともせず、自院に電話して事務の男性2人 にきてもらいようやく脱出できたことがあります。普段頼りなげな事務の男性がたくましく見えました。

 幸い人身事故は経験していません。また他の自動車との接触事故もありません。狭いところでの車の擦過傷が何回かあったくらいです。名誉の負傷と修理せずそのままで走っています。


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