往診車のこと(1)

12.往診車のこと(1)(2015.7.18)

訪問診察に行っていて往診車のことで、まず問題になるのは駐車違反ですが、そのことも含めて、往診車にまつわるエピソードをお話します。2回に分けてのお話になります。

車はガソリンが無くなると全くの鉄のかたまりになってしまうことを思い知らされたことが2回あります。いまは同行の看護師が定期的にガソリンの給油状況をェックしていますのでガス欠になることはありません。以前はそういう手順もない頃があって、その時に2回ガス欠をおこしてしまいました。そのうちの一回は,悲惨なことに交差点の真ん中で止まってしまいました。交通量の少ないところだったので通行する車の迷惑にはあまりならなかったのが幸いでした。車をとりあえず人力で押して通行の妨げにならない所まで移動するという問題解決を選ぼうとしましたが非力のため断念。ついで電話をかけてSOSをだすという解決方法は、当時携帯電話がなかったし、公衆電話をかけようにも一円も持っていないので断念。そのまま放置しておくという案はでませんでした。冷静に考えたところ、運がいいことに近くに訪問診察に行っているお宅があったのでそこに行って電話とお金をかりて、問題解決ができました。

もう一回は、運転中にガス欠の徴候がみられ(がくんがくんと止まりそうになったりまた走り出したり)たので、なんとか車の通行の邪魔にならない路肩に止めることが出来ました。辺りを見回すとはるか向こうの方にガソリンスタンドが見えたので、トホホと思いながら徒歩でそこまで行き、ガソリンの出前をしてもらったことがあります。

あるとき、実習の医学生を助手席に乗せて、訪問診察に回っていたときにスピード違反で捕まってしまいました。医学生に在宅医療について熱っぽく語っていたら、いつの間にか右足に力が入ってしまっていたようです。警察官がこの曜日はここはいつも取り締まりしているのですがねと話していたが、その日に限って臨時の往診があり、こちらにとってはいつもでない曜日にそこを通るという偶然が重なった結果でした(?)。実習の医学生にはこういうこともあるので、反面教師にするようにと厳かに話しました。クリニックに戻り、事務長にこういう時の罰金はクリニックで出してもらえるかと聞いたら、冷たく自己責任で自腹ですと言われた。これ以外には捕まったことがないことを申し添えます(当たり前か)。

訪問診察にお伺いしているお宅には駐車場がなく、そういう場合に、頼んで隣の家の車庫に車を止めさせていただくことがあります。また少し離れていても、患者さんのお宅が近くにあればそこにお願いすることもあります。一度、訪問診察時に隣の家の車庫に駐車しようとして、その車庫のへりに車をこすって、へりの枠を壊してしまったことがあります。木が折れていて、釘で打ち付け元通りにしましたが、事務長に菓子折をもってお詫びに行ってもらったことがあります。


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