8.2世代続けての訪問診察 (2014.12.2.)
訪問診察にお伺いしていた方が亡くなったり中止になったりした後に、その方の家族に別の期間、訪問診察に行くと いうことがたまにあります。夫の訪問診察に行っていた後に、妻に訪問診察に行くようになったとかの同世代のことがおおいですがまれに2世代ということもあ ります。以下に2世代(以上)にわたった訪問診察の方を紹介します。
97歳のこれは老衰としかいいようがないAさん(孫のひとりが私の同僚であんな明るい葬式はみたことがないと後 日話していました)を自宅で看取ったあとに、その息子さんが神経難病に罹患し当初は外来通院していたのですが通院困難となり訪問診察となったことがありま す。息子さんはその後、経口摂取も困難となり在宅中心静脈栄養をしながら療養していましたが、呼吸不全が進行し、2年間の自宅闘病の後同じく自宅で看取り を行いました。享年は50歳前半でした。親子2代で、かつ2人とも自宅で看取ったのははじめてでした。が息子さんの看取りはAさんとは対照的に涙無くして は語れないものでした。家族はせいいっぱい介護が出来たことをせめてもの慰めにされていました。
96歳のBさんに訪問診察にいっていて、当時はその息子さんも訪問診察時には、Bさんの部屋に顔を出されていた お宅がありました。Bさんが自宅で亡くなられた後しばらくしてから、その息子さんが神経難病にかかり外来通院されていましたが通院困難になった時点から訪 問診察に行くようになりました。それはBさんが亡くなってから1年以上たってからのことでした。そのお宅は、Bさんのいたころは4世代同居で、息子さんの 代では3世代同居でした。孫たちが何の違和感も持たずに、訪問診察の場面に顔を出していましたが、それは訪問診察が2世代にわたったことと関係していると 思われます。訪問診察にいっても孫がまごつかない環境でした。
私たちの訪問診察は高齢者が圧倒的におおいのですが、脳性麻痺の青年にも3名ほど訪問診察にいっています。その 中の一人であるCさんは母親が自宅で介護していますが、実は10年以上前にCさんの祖父に訪問診察に行っていたことがありました。これなどはあいだは抜け ていますが3世代ということになります。その母親は、Cさんの祖父(つまり自分の舅)の主たる介護者でしたしCさんの主たる介護者でもあります。
訪問診察にいっているものとして同じお宅で世代を超えて訪問診察を依頼されることはとてもうれしいことです。