4.訪問診察の時刻 (2014年8月13日)
当院では、訪問診察を毎日午後におこなっている。おおよそ午後1時半から2時の間に出発しています。訪問診察は あらかじめ予定している人にいくのですが、当日に他の患者さんで病状変化があり往診依頼があるとそこに先に行ったりして、予定の訪問診察でお宅に到着する 時間が遅くなってしまうことがあります。またいつもいっている人が入院したりショートスティに入ったりしていて予定から外れる場合は逆に早くなったりする がこれはあまりありません。あらかじめ前の月に、訪問診察の予定を月日と曜日を印刷して配っているが時刻までは書いていません。上記のようなこともあり訪 問診察の時刻が一定しないからです。といって待っている患者さんは、おおよそいつもの時間に来るだろうと思っているようです。
最近は宅急便の時間指定のごとく、通所系サービスを利用している方には通所系サービスから帰ってきた時刻を見計 らっていくこともあります。時にお宅に到着したときにまだ帰ってきていないこともあり、その時は、近くに予定の訪問診察があるときなどはそちらから先に 行って時間調整することもあります。時にはお宅にあがらしてもらって患者さんが帰ってくるまでの間の時間に家族とざっくばらんに話をします。患者さんが現 役だった頃の話やどういうお父さんだったかどういうお母さんだったかなどをさりげなく聞きます。また介護の苦労なでもお聞きします。時にはアルバムを見せ てもらったりもります。このことで患者さんとはもちろん家族とも何となく距離感が短くなった気がしてくるものです。
今日訪問診察のあったAさんは、遅くなると「なんておそいんにゃ」と誰が聞いてもわかる福井弁でおっしゃいま す。「ごめんごめんおそなって」とかえし診療にはいりますが、今日はめづらしく早くいったら「なんて今日ははやいんにゃ」と言われました。「よかったね。 今日はその分じっくり診ますからね」とかえします。今までの経験ではおおよそ1時間が、予定より遅いと感じたりする目安だと思われます。
訪問診察予定の患者さんが時刻より遅れることをとても気にする場合は、移動中の車から看護師が遅くなる旨を電話することもあります。患者さんは家に一日いるとしてもやはりリズムを持って生活していることがよくわかります。
最初のところで出発の時刻を書きましたが、いままでで帰院が一番遅くなったのは午後8時頃です。遠方の人の臨時 往診が重なり、そのうちのひとりが入院することになり病院まで行ったりしていて遅くなったのです。その日の最後の人に電話したらもう「今日はいいです」と 断られてしまいました。また、遅れていくと「今日はもう、来ないのかと思った」と言われることもあります。その時は「槍が降ろうが、雨が降ろうが、風が吹 こうが絶対にきます」と話すことにしています。